思い出

ふと思い出した、ちいさなお話です。
大学4年の頃は、バブルもとっくにはじけ、厳しい就職活動を続けていました。ある日もどこかの会社訪問だか試験だかの後にぷすぷすくすぶりながら、そういえばこの間、知人に教えてもらったバーにボトル入れるだけ入れてから行っていないな、そろそろ3ヶ月だわ、と思い出しました。では気分転換、とその足でバーに向かい軽く飲み、残りを持ってその日は友人宅に泊まりました。友人はスコッチを飲まないため、翌朝はそれを持ってまた大学へ向かい、授業を受け自宅へ帰りました。
後日サークルの後輩(確かドラムのTだったと思う)から聞いたのですが、その朝私は東西線のホームに濃紺のリクルートスーツ姿で立っていて、寝不足っぽい顔と、片手には袋にも何にも入れられていないスコッチのボトルの首の部分が握られていて、それを彼は、ああ、かおりさん荒れているな、就職活動って大変なんだな、と思ってちょっと離れた所から見ていたそうです。

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