ジュネーブ便り

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6週間の予定でジュネーブに来ています。お仕事の事はともかく、オフに起きている色々をご報告です。
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出国前日は友人が飲み会を開いてくれた。内2名が家に泊まりに来る。目の前のコンビニでおつまみやカップラーメンを購入。このカップラーメンがとてもおいしく、スープをあてにお酒を飲む。
翌日、空港で上司と落ち合う。チェックイン後、「ラウンジにも食べる物はあるのに」と言う彼を振り切り、空港内のレストランでこてこてラーメン(注:メニュー名)と高菜ご飯のセットを食べる。すぐに機内食が出ることはわかっていたが、日本のラーメンがしばらく食べられないと思うと外せない。機内ではお食事の合間にカップラーメンを食べる。
パリ→ジュネーブの飛行機は小さかった。着陸のため高度を下げる時、とても分厚い雲に突入して行く。こんな小さな飛行機が…。頑張れ機長。雲を抜けると、一面の緑。すごい。着陸直前、滑走路をうさぎが走っている。5月27日夜、無事ジュネーブ着。今の時期ジュネーブはとても日が長く、夜10時近くまで明るい。夕方のような明かりの中着いたホテルは、アットホームだ。
翌朝。お願いしていたモーニングコールが来ない(翌日以降は念を押したので来るようになったが、なんとフロントの人が本当に電話をしてくるのだ)。どうもスタッフが少ないようである。これでもランクは4つ星。まあ気を使わなくて良いので楽かもしれない。モーニングビュッフェのハムやチーズがおいしい。なんと冷えたシャンパンまであった。ただこれは、数日後から姿を消した。朝から飲みすぎたか(そんな訳はないか。ここにちょくちょく来ている方にお聞きすると、今まではシャンパンはなかったそうなので、たまたま重要な会合のある時期限定とかだったのかもしれない)。
到着後しばらくしてから数日間に渉り、エビアンでG8だったので、ここジュネーブも警備がとても厳しかった。この間もどこだったかの国際機関のビルのガラスが割られた。閉まっている観光地や交通機関が多く、重要な場所の周りにはポリスがいっぱい。彼らに、ここも今日休み?などと聞いても、自分は地元の人間じゃないからわからない、と。G8対応で駆り出されているそうだ。何も起こらなければ暇だろう。と他人事のように言っていてはいけない。ここも危険なのだ。
最初の土曜日は8時間くらい歩き回った。焼けた。コルナヴァン駅近辺、旧市街、もうガイドブックに載っている主要ポイントはほぼ制覇。途中から土地感を得たような気分になり、地図なしで歩き、もう少ししたら右側にレマン湖、などと思っていたら、とんでもない所に湖が見えた。左側だった。
日曜日はちょっと足を伸ばしてローザンヌへ。電車の中で同行の方から面白いお話を聞く。彼の知り合いの某国日本大使のお子さんが、日本語学校で書いた作文が、「私は行った。○○へ。」という語順だったと言う。思わず「詩人ですねー。」とコメント。普段普通に日本語も喋られるため、親御さんも気づかなかったらしいが、書くとなるとそういう発想になるらしい。
ローザンヌ着。お城だの聖堂だの、見応えあり。これも移動は足。湖岸を散策してからどこかのホテルなどでタクシーを呼んで別所へ移動するつもりだったのだが、なにせ色々な所が、G8対応のため、いがいがの付いたワイヤーや柵でガードされているため、目の前にあるホテルにたどり着けない上、そこの路線バスはこの期間止まっていたので、たっぷり歩いた後、同じ道を足で戻った。
どこかでとるつもりだったランチも、食べられる場所はどこにもなく、ほとんど駅の方まで戻った所でやっと、ビールだけは飲めるカフェを見つける。ランチ時間外で食べ物は出してくれないが、まずは一息。五臓六腑にしみわたる。
すぐに店を出、食べられる所を探す。ランチからディナーの間はどこも食べ物を出さないと言われ、人に聞いて唯一物が食べられる場所らしいマックで遅いランチ。ほんと、駅の辺りに食べ物屋さんはいっぱいあるのだが、日本の、いわゆるやくざなピラフとかを一日中出す喫茶店のような所がない。
6週間の夜を快適に過ごすべく、お酒の入手ルートは確保。ほとんどのお店は日曜日は閉まっているが、ホテル近くに開いているお店を見つけた。その他にも色々なお店の安いワインから試して、600円くらいの物であればまあまあ飲めるかな、と言う感じだ。
ディスカウント店も発見。6本で2,000円位のとか、まずかったらどうしようと思ったが、聞いてみたら1本でも1/6のお値段で買えた。もともと倍額の物をセールしていたので、それなりにおいしい。あと冷蔵庫の中にはスコッチと。お水はワインの空きボトルに入れて冷やしているし、氷はあるし、いやー、水割りがおいしい。
ここからちょっと内緒話(日本からいらしている方々皆さんそういうお部屋ではないので…)。事前にキッチン付きのお部屋と聞いていたので、やる気満々でお気に入りのお鍋や各種調味料など持ってきていた。ところが最初のお部屋はキッチンがなかった。
まあ冷たいオードブル系はもともと好きだし、チーズもハムもパンもおいしいのだけれど、さすがに3食それだと少し飽きてくる。3日目位に、上司のおかげでキッチン付きに変われた時は感涙。早速道向かいのスーパーを物色し、丸鶏が2羽で1,000円だったので購入。お米(安い!)を詰めて蒸し煮を作り、1羽はお部屋を変える時に色々便宜を図ってくれたホテルのお姉さんへ、1羽は私のお腹へ。上司へは、日本では珍しい生の白アスパラガスをボイル、茹で立てを差し入れしてお礼。
スーパーには他にも、私の大好きな各種内臓や牛さんの尻尾、豚さんの足や耳などがある。嬉しい。お魚も結構あり、ご飯を炊く時に、バターとおしょうゆをおとしてホイルに包んだ物を一緒にお鍋に入れておくと、おいしいのが出来上がる。ビタミン源としては、にんじんにお塩をかけてぽりぽりかじっている。
言語に関しては、フランス語が殆ど。事前に上司より、「大丈夫だよ、英語通じるから」と言われていたが、街を歩いていたら4人に声をかけて1人通じるくらいか。大丈夫と言うのは、以前ここで何年も働いていてフランス語が堪能な上司の「大丈夫」だった。
ホテルの部屋でメイドさんと意思の疎通を図りたい時には、フロントに電話し、メイドさんとフロントと私が交互に話す。スーパーに売っている商品のパッケージには3ヶ国語での説明が多い。仏、独、伊。そんな訳なので、デパートの書店にある仏英辞書に急に興味が出、熱心に探し始めるが、考えたら私の語学力では英語でお魚やお肉の名前なんかが出てきても何のことかわからない(辞書を買おうとしたモチベーションは、何はさておき食べ物関係だ)。すぐに買う気をなくす。
滞在期間中、ピアノが弾ける所があれば良いと思い、ここでの滞在が長い仕事関係者や、ホテルの人などに聞くが、答えは芳しくない。だが、偶然見つけた楽器店に聞くと、L’AMRというライブハウスを教えてくれた。毎週水曜日にジャムセッションをしているらしい。一応火曜日にお店に電話をしてみると、今日も22:00からセッションだとの事なので、行ってみる。
ハウスバンドのようなのが演奏していたので、まずはバーカウンターでスコッチを頼むと、製氷中との事なので、ホットコーヒーと半々にした物をオーダーする。「スペインでカヒ何とかと言うんだよね。おいしいの?」と聞いてくるので、一口勧める。おいしいと一応言うが、その顔つきはどうだろう。10フラン出したらお釣りが来ないので値段を聞くと、スコッチは10フランとの事。ワインは3フランからある。ふっかけていないか。
隣りの席にいるフランス人の女性とトンガの男性のペアと話をすると、今演奏しているのは、店の下のスクールでレッスンを受けている人たちだそうだ。トンガの彼がスコッチのおかわりを持ってきてくれる。これも10フランだったそうなので、正価らしい。
セッションに参加するタイミングを窺っているが、特に客席への呼びかけはないようなので、リーダーらしいベーシストに申し出る。何が良いか聞かれたので、You Are My Sunshineと言うと、ジャズにしてくれと言われる(おい)。じゃあ、と、St. Louis Bluesを超速で弾き始める。皆大喜び。Moon Riverをピアノのスローでワンコーラス、アンサンブルでアップテンポ、最終コーラス再びスロー。そんなこんなで30分くらいやっていただろうか。満足。
写真を何枚か撮ってね、とお願いしていたトンガの男性からデジカメが戻ってきた。カウンターが80近くになっている。私はここへ来てからまだ10枚程度しか撮っていない。
再びバーでスコッチを頼むと、今度は無料だった。やった。お礼に今度はカウンターの中で働かなきゃねー、などと言いながらセッション日程について詳しく聞くと、明日が今シーズン最後のセッション日だと言う。下のスクールがちょうど年度の終わりなので、これから秋までは卒業生達のワークショップが続くそうだ。来週以降がないのは残念だが、そういうことであれば翌日も来よう。
翌日、今度は昨日と違うメンバーが演奏している。まずは赤ワインを1杯。カウンター隣りの女性はギタリストで、昨日も来ていたそうだ。彼女の友人らしいおじさんが話し掛けて来て、彼女と私にドリンクをおごってくれる。指を動かしている私を見て、ピアニストかと聞くので、そうだと言うと、君のすることは今ピアノの前に行って座ることだと言う。待っていてもなかなか始まらないよ、と。
ちょうど演奏が途切れていたので、ピアノの前に座り、誰も一緒ではない内に昨日のリベンジと、You Are My Sunshineを始める。また違反速度。ベースが加わる。終わってから彼は、すごく大変そうだったジェスチャーをしながら、かつにこにこと“Faster!Faster!”などと言っている。お互い分かりそうなメジャー所をと、MistyやWater Melon ManやAmazing Graceや枯葉やC Jam BluesやSaints(やってみると皆もやっぱりこういうの好き!)や、昨日以上に存分に楽しむ。うーん、音楽は万国共通語。
帰りしな、ラッパを吹いていたおじさんがホテルまで車で送ってくれるとの事。さすがに警戒するが、ミュージシャンだし(まあこれは根拠ないな)、常連だし、お店の人も大丈夫大丈夫、と言う感じだったので安心してしまったのだが、ホテルに着くと車中で迫られる。ものすごくびっくり。快楽と危険は隣り合わせ。
2度目の週末前夜、滞在するホテルのバーで飲みながら、在ジュネーブの方に「レマン湖からボートで行けて日帰りで楽しめそうな所はどこでしょう?」と聞くと、フランスのYvoireという場所を勧められる。中世の建物が残っているらしい。その場にいるメンバーの翌日の予定はそれに決定。
フロントで教えてもらった時刻表通りに出発したボートの上は、本当に気持ちよかった。今ここは思っていた以上に暑く、お天気がとても良い。キャミソールでさんさんと太陽の光を浴びていると、同行の方に「日焼け大丈夫?年いくつ?」とご丁寧にご心配頂く。ちっ。
Yvoireに着く。港から街への入り口に、「花の街」と書いてある通り、街中花に溢れている。これが中世からの建物なのね、と言う感じのお土産屋さんとレストランがいっぱいの、かわいらしい街だ。お城もある。湖の水がどれくらい冷たいのか触ってみたくなり、ちょっとした岩場を降りて触ってみると、まあまあ泳げるくらいの温度だ。それを面白そうに見ていたカナダ人にどうだった?と聞かれ、報告。その人も触りに行く。
しばらく歩いただけで街を一周し、ジュネーブに帰るボートが来るまで時間があるので、カフェで一休み。キウイ、ココナッツ、バナナなど、色々な味のビールがあったので、試してみる。うーん、皆で一種類にしておくべきだった。甘いため、ビールをくーっと一気飲みという気になれない。キウイは、キウイエキスに普通のビールを入れて薄めるようだったので、その薄め用のビールを頂き、お口直し。その後は白ワインで、ハムやチーズの盛り合わせ。生乾きのハムがとてもおいしい。
帰りのボートの中で、イギリス人のおばあさんに、赤十字博物館に行きたいのだがどこで降りれば良いのかと聞かれる。私達の降りる終点と同じだと言うと、良かったわー、この船の中で初めて英語を話す人に会えたわ、皆聞いても言葉がわからないから心配だったのよ、と言われる。英語の伝わらなさを再度実感。
翌日の日曜日は、植物園やモン・レポ公園お散歩の後、おのぼりさんよろしく国連ツアーに行く。ガイド付で1時間ほど。ここで色々決められているのか、と思うと感慨深い。旧市街にあるバスティオン公園にも行く。入り口近くの地面にいくつも描かれている巨大なチェスボードで市民がプレイしている。ポリバケツのような素材の大きな駒を、よいしょっと持ち上げたり、足でずり動かしたりしている。楽しそう。

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